真奈へ 真奈は知っていたよね お母さんがどんなに真奈の事を愛していたか… お母さんにとって 真奈がどれほど大切だったか…

小さな頃からお母さん子だった真奈。 3歳の時、幼児教室ではお母さんから離れるのが嫌で いつもお母さんの後ろにくっついていたね。 幼稚園も慣れるまで随分と時間がかかったね。 お母さんが見ていることで安心して遊べるけれど お母さんの姿が見えなくなると、いつもすぐに追いかけてきたね。 中学、高校と成長しても、いつまでも　 甘えん坊の真奈と　真奈のことが大好きなお母さんだったから 親離れ、子離れが難しかったね。 それでも、お互いに大好きなんだから　いいよね…って言っていたっけね。 進学先を決める頃になって、真奈は道外の大学を選ぼうとしていた。 寂しいけれど、子離れするのにはいい機会だと思って 真奈の選ぶ大学に反対はしなかった。 真奈が横浜の大学に行って、離れて暮らすようになってしまった時 毎日寂しい思いで過ごしていたよ。 でも、ある日届いた真奈からの手紙 　　＊＊＊＊＊＊＊＊ 　　　　一人暮らしって　 　　　　もっと不安で泣いてしまうものかと思っていたけど 　　　　意外にも真奈は一回も泣いてないよ。 　　　　離れてみてわかったけど 　　　　お母さんと真奈は離れていても大丈夫なんだよね。 　　　　普通の人よりもずっと信じあっているし 　　　　いつもお母さんに大切に想われているって 　　　　わかっているから大丈夫… 　　　　　　　　　＊＊＊＊＊＊＊ こんな風に感じてくれているんだ…。 そう思ってとても嬉しかったよ。

こんな別れの形になるなんて、思ってもいなかった。 真奈は寂しがるだろうけれど 別れが来るのはお母さんが天国に行くときだと思っていた。 でも、その時は真奈にもちゃんと愛する家族が出来ていて お母さんとの別れが辛くても乗り越えていける… そう思っていた。 まさか、真奈がお母さんよりも先に それもこんなにも突然天国に行ってしまうなんて… 想像することもなかった。 お母さんは真奈の事を心から愛していたし 我が子は自分の命よりも大切だと思っていた。 でも、真奈がいなくなってしまったのに… お母さんは　こうして生きていかなければならないんだよね。 真奈がいなくなって、寂しく、悲しいのはお父さんも同じ。 そのお父さんやお姉ちゃんに更に辛い思いをさせるわけにはいかない… おばあちゃんにお母さんと同じ思いをさせることもできない… だから、お母さんは真奈に会いに行きたいけれど その日はもう少し後になるんだよ。 いつか、真奈に会える日を楽しみに その日までは頑張って生きていくしかないんだよ。 それまで、天国で待っていてね。 いつかお母さんがそっちに行ったら また、たくさんたくさん話をしようね。 そして・・・ いつか生まれ変わって またお母さんと親子になろうね。 お母さんの愛する真奈… いつまでも、いつまでも愛しているよ。